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家に帰りついても、頭から離れない。
本気になったら電話して?
だと?
大翔の携帯番号が書かれたメモ用紙を見ながら、どうすればいいのか悩む自分がいる。
「長野さん…私が成長する姿って見たいですか?」
翌日、出勤したら直ぐに長野さんのデスクに駆け寄って聞いてみる。
「なんだ?朝っぱらから。」
「人生の岐路ですよ。」
「は?大丈夫か?おまえ。」
「長野さんの背中を見て成長できた私には、長野さんのアドバイスが必要なんです。」
「いつ成長したんだよ。まだヒヨッコが偉そうに。」
「鶏になってますよ!」
「ほざけ!!ほら、現場に行くぞ!」
「え。どこですか?」
「殺人だって。」
「はーい。」
うーん。
長野氏は、まだ子供と見ているらしく、話にならねぇなぁ…
そう思いながら、現場への道のりを、自分の世界で満たして車を走らせた。
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