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どっちにしろ、自分では悩むだけだった。
言いにくいけど、ここは、甘えてもいいって言ってるんだから、言ってみるのも得策かもしれない。
「あの。」
「「ん?」」
……う。身体乗り出されると、ますます言いにくい!
「やっぱりいいです。」
「綾瀬!」
「だって!そんなに興味津々で聞こうとしないでください!」
「…分かった分かった。」
「どうぞ。」
1つ、深呼吸をして向き直る。
「…この前…彼らと撮影あったじゃないですか。実はあの時からなんです。」
「何が?」
「こう…何て言うのか…自分はもっと腕を磨けるって思ったのが…」
「だろうな。お前のカメラマンとしての才能は、俺も編集長も認めてるよ。」
「ありがとうございます。…でも、何か違うって言うか…あの二人に指導されて、見付かったものが大きすぎたと言うか…」
自分で驚いた。
衝撃だった。
人物の画が、あそこまで綺麗に撮れるなんて思わなかった。
スゴイって思ったのも本当だ。
「…確か、Door the Mの撮影だったか?」
「はい。」
「彼らの写真は見たの?」
「見ました!どれも、自分とは違う着眼点から撮られたもので、見ていて楽しかったです。
人物も、風景も、単発も、全てが自分とは異なってました。」
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