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翌日、会社に行くと、長野さんがデスクに居なくて、少し捜していると喫煙所でその姿を見つけた。
中に入ると、一瞬目が合うも直ぐに反らされた。
「……………」
「……………」
重たい空気が流れた。
それも束の間で、長野さんは私の頭をポンポンと叩いた。
「…苛められたら直ぐに連絡しろ。」
ニカッと笑いながらそう言う長野さん。
「私も1本下さい!」
「…やめとけ。ガキのくせに。」
「下さい!」
渋々渡されたタバコ。それに火を着ける。
「あ。あれ?」
「吸いながらじゃないと着かないぞ。初心者。」
「……!!!ゲホッゲホッ!!」
「ワハハハ!美味いか?」
「…美味いです。」
「嘘つけ。」
噎せる私を大笑いして見守っていた。
「ありがとうございました!」
「…ん。」
今日の長野さんは言葉数が少ない。
それでも伝わった。
私は、二人のために頑張らなきゃいけない。
どんなことが起きようとも、苦しくても辛くても、続けなきゃいけない。
そう心に誓った。
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