鼓動

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会社のみんなにも別れを済ませて、編集長の許に行く。 「即、行動だな。お前は。」 「はい。お世話になりました。」 「だろうと思ったよ。山のような有給あるから、明日には行ってこい。」 「はい!」 昨日と違って、笑顔で接して、退職届を出した。 ここで多くを学び、多くの出会いもあった。 それを糧に歩いていく決意をした今は、前しか向かないと決めていた。 その夜。 『もしもし?』 「こんばんは。綾瀬と申します。東さんの携帯で宜しかったでしょうか?」 『…そうだよ。意外と早かったな。』 「重大決断してきました。」 『バックダンサーになる?』 「写真家です!バックダンサーは、あくまでステップアップの礎です!」 『ハハハ。分かってるさ。』 すると、真剣な声色に変えて、大翔がこう言った。 『決めたなら、俺は容赦しないと言ったはずだ。覚悟はできてるな?』 「はい。」 『とりあえず明日、福岡まで来れるか?』 「行きます。」 『明日の昼頃電話する。』 そう言うと切れた電話。
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