ファインダー越しの風景

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ホテルの一室。 ドアの前に立った長野さんは、ノックを軽く2回。 中から出てきたイケメンズ。 「長野さん!どうぞ!」 「お待ちしてました!」 「大翔。海斗。久し振りだな。元気そうじゃないか。」 「……っと。そちらのお嬢さんは?」 「カメラマンの綾瀬だ。」 「綾瀬です。宜しくお願いします。」 「宜しく。」「どーも。」 …へぇ。 トップアイドルにしてはフレンドリーだし腰も低い方かもしれない。 私自身のアイドルに対しての偏見かもしれないけど、もっと威張ってるかと思った。 カメラを取り出して、電源を入れる。 「綾瀬、準備できたらその位置から何枚か撮って。」 「はい。」 「撮り終わったら、そうだな…そこからズームして海斗を。大翔は正面から。」 「………はい。」 ……しまった。勉強不足。 どっちが海斗でどっちが大翔か分かんない。 「…綾瀬、どうした?」 ここは正直に言うべきだな。 雑誌に掲載されるものだし、手を抜いてはダメだ。 「…長野さん。どっちが海斗でどっちが大翔ですか?」 「…綾瀬!!コラ!!」 「……………」 「アハハハ!!」 ビックリした表情を見せた人と、笑い飛ばした人。 共に印象に残ったから、名前を聞けば覚えるはず。
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