鼓動

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「うわぁぁぁ!!」 大翔に続いて入ってきた海斗と目が合うと、悲鳴をあげられた。 …要するに、大翔は海斗に教えていなかったんだろう。 「ども。こんにちは。Door the Mの海斗さん。」 「…な、な、」 「ビックリした?ビックリした?」 「ビックリどころじゃねぇよ!こいつ、雑誌カメラマンだろ!何がバックダンサーだよ!出来るわけねぇ!」 …つくづく失礼なやつだな。 …これでCOOLが売りだって?笑える。 「ダンス経験者らしいよ。ね!綾瀬ちゃん。」 「………………一応。」 「相変わらず態度の悪い女だな。アイドル嫌いな奴を入れようなんて、どういう風の吹き回しだよ。」 「別に、あなたには関係ありません。」 「…なっ…」 「師匠、聞きたいことと文句があります。」 「師匠ーーー!?なんだそりゃ!」 海斗を無視して、大翔に向き直る。 「どうしたの?」 「ここのステップ、細かすぎて分かりませんでした。 あと。ダンス止めて歌ってるだけの姿がありすぎです。その部分はダンスがないんですか? 流れが急に止まって、消化不良です。」 そこまで言うと、笑いだした大翔と海斗。 「……どうして笑うんですか。」 「いや…ごめん。…あまりに純粋だから…ハハッ…」 「純粋?意味がわかりません。真剣ですよ。あと、何百枚見なきゃいけないと思ってるんですか。」 「そうだよな…ごめんごめん…」 …若干…ムカつく。
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