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「ちゃんとダンスはある。」
「そうそう。少しずつ教えていくから。1曲くらいは覚えた?」
「いえ。」
「まだ覚えきれない?先は長いね。綾瀬ちゃん。」
「15曲くらいです。」
「「……………」」
呆然とした二人。いや、覚えるだけだから、大したことじゃないし。
「まだ1時間半くらいだよ?ホントに?」
「はい。」
「どの曲?」
「そっち側に置いてあるもの全部です。」
発売日の古い順から覚えているので、彼らにとっては、デビュー後すぐのものだろう。
最近では、歌わなくなったものもあるかもしれない。でも、なんとなくだけど、初めから覚えた方がいいと思った。
「試してみてもいい?」
「試すとは?」
「本当に覚えているかどうか。」
「だから、不完全ですって。所々ダンスがないんです。」
「それでいい。この曲いこうか?」
選ばれた1枚は、一番初めに覚えた曲。
つまり、彼らのデビュー曲。
「俺たちも一緒に踊るから。そしたら恥ずかしくないでしょ?」
「はい。」
「じゃあかけるよ。鏡の前に立って。」
「はい。」
覚えたての曲とダンスを、二人に挟まれて披露していくことになった。
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