鼓動

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「海斗、どう思う?」 「…レッスン次第だろ。」 「だよな。じゃあ、一応OKってことで。」 「文句はあるけど。いいぞ。」 「よし。綾瀬ちゃん、海斗からも推薦してもらえるみたいよ?」 …なんと。ビックリ。 そりゃどうも。 「ありがとうございます。」 「…何でイチイチ俺には突っ掛かるようなものの言い方なんだよ?」 「普通ですよ。お礼言っただけだし。」 「嘘つくな。」 「あーーー!!仲良くいこうぜ!」 私は、基本的にこの人と合わないんだろう。 と言うか、私は海斗を知った訳じゃないけど、海斗の彼女を知っている。 海斗自身を嫌いになった訳じゃないが、彼女は苦手な方だ。 だから、その彼女を選んでいる海斗が嫌いなんだと思う。 「師匠。」 「…その呼び方やめようよ。」 「大翔さん。これっていつまでに覚えればいいですか?」 海斗と話していると、ちょっとムカムカ来てしまったから、海斗からは目を反らして大翔に近付いて話し掛ける。 「そうだな…俺たちのツアーが終わるまでに出来そう?」 「ツアーはいつ終わるんですか?」 「来月の18日。」 ってことは、1ヶ月半ってとこか。 「分かりました。それまでに全曲覚えます。」 「言い切ったな。さすが、覚悟のある人間は言うこともやることも違うな。」 「…約束は果たしてもらいますよ?」 「もちろん。」 ニッコリと笑った大翔に、少し安堵する。
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