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でも、何となく達成感はある。
必死でやって、誉められたからだろうか?
自分でも驚くくらいに満足していた。
これからがさらに厳しくなっていくのは分かっている。それも覚悟の上だ。
「あ。電話……もしもし。ミサ?…うん。海斗のとこ。」
大翔の電話が鳴って、嬉しそうに会話している姿。
「分かった、直ぐに行くよ。……ごめん。今日は終了ね!綾瀬ちゃん、明日、事務所まで来れる?」
「はい。」
「お前、どこ行くんだよ。つーか、ミサって誰。」
「スタイリストの子。」
………あれ。
この前モデルと付き合ってるって…
「じゃあ俺、もう帰るから。明日から本格始動だよ?綾瀬ちゃん。」
「え。はい!」
バタバタと走り去ってしまった大翔。
…あの人…いい人なんだけど…
女のローテーション早いな…
そう思ってると、横から視線を感じる。
……しまった。気付くの遅れた。
「……お前、本気なの?」
「何がですか?」
「バックダンサー。」
「本気じゃなければ覚えません。……すみません。長居して。失礼しました。」
……二人きりは居心地悪すぎる。
手荷物をもって、玄関に向かう。
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