鼓動

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「………んんッッッ!!」 腕をグイッと乱暴に引かれて着いた先、待ち構えていた海斗にキスされた。 冷たい唇。 そこになんの感情もなく。 ただ、嫌がらせのキス。 「俺、一応役者もやってるんで、なんとも思ってない女にもこれくらいは出来るぞ。 わざわざキスしてやったんだ。嬉しいだろ?だけどな、理奈には近付くな。 大翔がお前に肩入れしてるから、バックダンサーは認めてやる。 でも、俺に話し掛けるなよ。お前を殴りそうになる。」 「…………!!」 パァァン!!! 渾身の力を込めて、海斗の頬をひっぱたいた。 なんか。凄い悔しい。 何で悔しいのかも分からないけど。 ムカつく以上に悔しい。 悔しさのあまり、噛み締めた唇。 歯で噛みきってしまい、鉄の味がする。 目からは涙が溢れてきた。 「…………最低…………」 ボソッと告げた言葉。 海斗を見ずに、自分の部屋に戻った。
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