鼓動

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これで私は、芸能界の一員となったわけだ。 すごく不本意だけど、自分のために頑張る。 そして、自分の夢を応援してくれた人や協力してくれた人のために頑張る。 それだけを思えばいい。 「今日から入ることになった綾瀬さん。みんな、仲良くしてあげてね。」 「綾瀬瑞樹と言います。宜しくお願い致します。」 元々バックダンサーだったメンバーは、私の先輩に当たる人たち。 上下関係が厳しいと聞く芸能界は、1分でも早く入ったほうが先輩だ。年下だろうが礼は尽くす。 もちろん、Door the Mだって先輩。 その他のこの事務所の先輩たちも、覚えておかなければ。 まだ駆け出したばかりで、右も左も分からない。 前で言う長野さんのポジションを、大翔自らかってでてくれて、バックダンサーのメンバーとも直ぐに溶け込み仲良くなってくる。 さすが大翔。 持ち前の明るさで、架け橋になってくれた。 バックダンサーは、全部で8名。 その中で、唯一の女の子とは直ぐに仲良くなり 「男ばっかりでむさ苦しいけど、みんないいやつばっかりだから平気だよ!」 「……はい。」 「私は中野紗智。智也に颯介、健、アレが敦士で、その隣が蓮で、拓に紀洋。」 宜しくー!と、軽いノリの面々。 「み、みんな若いね…」 「同じくらいっしょ?20歳前後だよ?」 「…いや、私今年25なんで。」 「まじかーー?高校生くらいに見える!」 「ミラクル!素っぴん万歳!」 …素っぴんで悪かったな! …まぁ、みんなともこんな感じで。
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