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長くも短い1週間。
いつものように、カメラを持って夜の街を歩く。
(今日はどこ行こうかな…外れの公園とか、何かないかな…)
小雨が降っていて、最悪のコンディション。
でも、ライトをバックに見据えると、この小雨が幻想的な画を生み出すことを知っている。
最悪だけど、最高。
こういう技法は、長野さんのほうが上手いけど、自分だって練習していけば!
そう思いながら着いた薄暗い公園。
普段なら、恋人たちがたくさんいそうな感じ。
雨のせいか、今日は誰もいない。
(ラッキー。すごい綺麗に撮れそう!)
ファインダーを覗き、ターゲットを決めるべくカメラの位置をずらしていく。
(……あれ。人がいる……)
私のいる位置とは反対の方向。
何か言い合ってる様子。
(しょうがない。別の場所に移動)
「理奈!」
(……は?理奈って…大倉理奈?)
マジか…ホントに縁があるっちゅーか。
「…うんざりなのよ!海斗はスキャンダル1つも私にくれない!私が欲しいのはお金と女優としての立場なのに!利用させてよね!」
(…た、高山海斗!?)
その人影から聞こえてきた声は、もっとも関わりたくない二人の修羅場。
思わず、カメラをズーム。
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