誰が殺した。

2/7
前へ
/59ページ
次へ
昔、ある牛飼いの子どもが馬に蹴られて死にました。 それを見ていた牛飼いは馬主を罵倒しました。 明らかに事故なのですが、牛飼いは人殺しと言ってはばかりません。 「馬に蹴られて、死んでしまえ。」 牛飼いは馬に飛び乗って、馬主を蹴りました。が、馬主は寸でとかわし頭に一厘ほどの血を流して済みました。 さて牛飼いは驚いた馬に振り落とされ、散々に踏まれて千切れました。 馬主は涙を流し、親子を弔い、馬を連れて戦に行きます。 そこで自身を含め千人殺しをなしました。 (蛇足) 牛飼いの墓から牛食み草が生えました。他の畜生には無害ですが、これを馬が食べると酷く当たるそうです。 子どもの墓には馬食み草が生えました。
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加