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「期末テストは大丈夫だった?」
「だからここに居れるんです」
「そっか」
赤点なら間違いなく補習がある。
何よりも美穂は受験生で……。
「受験勉強は捗ってる?」
「それは……、ぼちぼちです」
ようやく志望校を決めたくらいで、流れに任せて予備校の申し込みもした。
「琢磨のいる大学だっけ?」
「受かるかどうかも分かりませんけど」
「なら、こっちにいる間、家庭教師してあげようか?」
「え?」
「なんでも教えてあげる。数学も古典も、保健・体育まで」
「……最後は余計です」
「あぁ、もう知ってるから?」
「違いますっ!!」
「なら、やっぱり教えて」
「先輩っ!!」
電車の揺れが心地よい、クーラーは効きすぎて肩は冷たいのだけど繋がれた手だけは暖かい。なにより、
「次だね」
「――っ」
耳元近くで囁かれる声に、心臓のドキドキが増していく。
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