熱帯夜

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誰もいるはずがないのに、背後から声をかけられ思わずビクンと飛び上がってしまった。 恐る恐る後ろを振り返ると 「……課長」 「ククク。幽霊でも出たと思った?」 ネクタイを緩めて、上着を肩に担いで傍のデスクにもたれ立つ課長 いつもは、ビシッとスーツを着こなしているのに、今はちょっと緩い感じで新鮮だ。 見慣れない課長が目の前にいるせいか、 誰もいないオフィスに2人きりというシチュエーションのせいか、急にドキドキする 「携帯、見つかった?」
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