0人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
眼下に映るは 小さな静寂
微かに風が 吹き抜ける
触れる灯りに 歯車が軋んだ
あと少し あと少し
止まらない 時計
ぐるりと反転 頬には牡丹
未だ 白い首
絡まる糸に すくむ足
重なる重みに 連なる想い
もう 一つも 触れる事も叶わない
『きっと もう 貴方は…』
柔らかな感触 なぞる膚色
強かな言葉 溢す赫色
ゆぅるりと 彼方 仰いで
この月夜に 突き立てた 鈍色
『離別』
最初のコメントを投稿しよう!