Cherry 10

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蛸の吸盤みたいに、しがみついて離れない。 …ったく、あたしだってしがみつきたいよ。 離れに行くか行かないか躊躇しているあたしに、海翔が声を掛けた。 「美優も来いよ」 「あたしは別にいいよ。空翔に来た荷物だし…。興味ないし」 本当は箱の中身が気になり、興味津々なのにやせ我慢をする。 「っか、来いよ」 海翔はあたしの腕を掴んだ。二重焼きを食べていたおばあちゃんが、驚いて目を見開く。 でもすぐに目尻を下げ、優しく微笑んだ。 「美優もいっておいで」
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