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「…しょうがないな」
あたしは渋々リビングを出る。あたしと海翔の前を、美希は空翔の腕にしがみついたまま歩いている。
二人の身長差は約三十センチ。まるでパパとママみたいだ。
後ろ姿を見ていると、美希は小学生だなんて思えない。寧ろあたしより体のラインは丸みがある。
あたしは小学生の美希に嫉妬している。小学生を武器に無邪気に振る舞う美希は、本当にやりたい放題だ。
裏口から離れに向かうと、玄関に大きな段ボール箱が二つ重ねてあった。
「何だこれ?」
海翔が上に重ねてあった段ボール箱の梱包を乱暴に開ける。中身はアメリカのお菓子や缶詰や食料品。英語の文字が並ぶ商品に美希は目を輝かせている。
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