175人が本棚に入れています
本棚に追加
/91ページ
「志穂の事 妻から聞いて
親子だなって実感した
まさか同じ道をたどるとはな」
「そうだったんですか」
何だかほっとした
「私はおやじさんに怒鳴られたが
私は怒鳴るのはやめようと思ったよ
自分も同じだったから君の気持ちは
私が一番わかっているからな」
笑いながら言っていたが
その顔はすぐに真剣になっていた
「ただ娘を思う気持ちは今も昔も変わらない
どうか志穂を幸せにしてやってくれ」
そう言うと頭を下げるお父さん
俺も深く頭を下げた
「はい」
お父さんの想いに俺は感動していた
「君は早くにご両親を亡くしたんだってな
これからは私達が君の親だ
いつでも遠慮せずに家へ来るといい雅史君」
「ありがとうございます」
俺はその言葉にもう一度
深く頭を下げた
最初のコメントを投稿しよう!