消せない気持ち

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「栄兄さん、総さんに見られたら大変なことになります。離れてください。」 「総が来たら離れるよ。今は……少し充電させて。」 「じゅ、充電?」 「そう、充電。」 そう言って真桜を強く抱きしめた。 俺はいつまで総にこの気持ちを黙っていられるだろう。 いつまでこの想いを隠し通せるだろう。 いつまで優しい栄兄さんのままでいられるだろう。 たぶん、そんなのもうとっくに無理なのかもしれない。 真桜と再び巡りあったその日からすでに無理だって分かっていたのかもしれない。 本当は一生、真桜の笑顔を見ながら二人で人生を添い遂げたい。 毎日、真桜と一緒にいたい。 もっと真桜に触れたい。 でもそんなこと言ったら真桜を苦しませてしまう。 真桜を苦しませるのだけは嫌だから……真桜の涙だけは見たくないから……今はこのまま俺の腕の中でじっとしてて。 「真桜、充電……。」 ―――――――――― ―――――― ―――― その日の夜、幸せな夢を見た……。
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