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真桜との幸せな夢を見た数日後、真桜が俺の家に来た。
「栄兄さん……こんにちは。」
「こんにちは、真桜ちゃん。」
「総、冷蔵庫の飲み物全部飲んじゃったからコンビニで何か飲み物買ってきて。」
「えっ、兄さんが行ってきてよ。」
「俺は期末テストの用意で忙しくていけない。悪い総、頼む。」
「分かったよ。真桜、ちょっと待っててね!すぐ買ってくるから。あっ、ついでにお菓子も買ってくるね。じゃあ行ってくる。」
「はい……。」
ガチャ
バタン
「真桜……。」
俺がそう呼ぶと、真桜が何か察したかのように俺に尋ねてくる。
「何か……私に話があるんですよね、栄兄さん。」
「うん……。真桜、もうお互いの気持ちを押し殺すのはやめよう。もう無理がある。」
「別に無理なんてして……いません。」
「本当に?じゃあ、真桜の本心を俺が代わりに言うよ。……真桜は俺のこと愛してる。」
「やめて!!」
俺は真桜を抱きしめる。
「離して……。」
「本当に嫌なら振り払って……。」
「……ひどい……私が振り払えないって分かってるくせに……。」
「うん、そうだね。」
「今日は歯止めを崩すためにわざと二人きりになったんだ。」
「歯止めを……?」
「うん…真桜よく聞いて……。」
「君を誰よりも愛してる。」
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