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「あっ、栄兄さん。」
「よかった、まだいて……。あれ?父さん今帰ったの?」
「ああ、今、真桜ちゃんとあいさつしていたところだ。」
「そう…。あっ、真桜ちゃん、忘れるところだった。近所の人から梨をたくさん貰ったからこれおすそわけ。持っていって。」
栄俊は袋に入ったたくさんの梨を彼女に渡す。
「でも……。」
彼女は俺の方を申し訳なさそうにちらっと見る。
「…遠慮はするな、持っていきなさい。」
「はい、じゃあいただきます!!」
「栄兄さん、いつもありがとうございます。」
「いいんだよ。それより真桜ちゃん、気をつけて帰ってね。」
そう言うと栄俊は優しい手つきで彼女の頭を撫でる。
ふと視線を栄俊の瞳にずらすと、栄俊が愛おしそうに彼女を見つめていることに気がついた。
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