214人が本棚に入れています
本棚に追加
聞かれて俺は渋々頷く。
うまい話なんかあるわけないけど、聞いちゃった以上、逃げられねぇ。
「わかった。逃げも拒みもしない」
俺が言うと、監督は俺の肩を力一杯叩いた。
「よし、出発は今夜だ。隊長は領主の館に居候するのが決まりだからな。いる物全て持って、午後九時に養成所の入口へ来い」
監督はそれだけ言って立ち去る。
俺も、準備をするために牢屋みたいな部屋へ向かった。
ふと時計を見ると、午後六時だった。あと三時間だ。
こんなにもあっけなく、ここを出られるなんてな。
最初のコメントを投稿しよう!