俺は3万円で売られた

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 驚きながら、そんなことを思った。  部屋へ向かっていると、不意に肩を掴まれる。 「だ、誰だよ」  俺が言うと、相手はクスクス笑った。 「まさか、ライバルの俺に黙って出て行こうなんて思っちゃいねぇよな?」  グラか。  俺はくるりと後ろを向く。 「思っちゃいねェよ。つか、なんで知ってんだよ」  俺が聞くと、グラは声を立てて笑った。 「オマエと監督のいた場所の近くにタルがあったろ。あそこに隠れてりゃ、会話なんか丸聞こえだって。俺らの同期は、全員聞いてたからな」
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