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驚きながら、そんなことを思った。
部屋へ向かっていると、不意に肩を掴まれる。
「だ、誰だよ」
俺が言うと、相手はクスクス笑った。
「まさか、ライバルの俺に黙って出て行こうなんて思っちゃいねぇよな?」
グラか。
俺はくるりと後ろを向く。
「思っちゃいねェよ。つか、なんで知ってんだよ」
俺が聞くと、グラは声を立てて笑った。
「オマエと監督のいた場所の近くにタルがあったろ。あそこに隠れてりゃ、会話なんか丸聞こえだって。俺らの同期は、全員聞いてたからな」
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