プロローグ

3/8
前へ
/37ページ
次へ
僕は少しの間、黙っていたが話しをすることにした。 「瑠美さんに大切な話しがあったから。わざわざ呼び出してごめんね。」 僕がそう言ったとき、彼女は少し頬を膨らませていた。 「高志さんのお願いなら断ったりしませんよ私は。むしろ嬉しいです。ただ、いつも言ってますよね?私のことは瑠美と呼び捨てにして下さいと。」 ああ、そうだった。彼女は僕が、さん付けで呼ぶと私は僕の恋人で同い年だから、さん付けは止めてと、何度も言っていたことを僕は思いながら、今までに一度も呼び捨てにしたことが無いのだと改めて思った。 しかし、彼女もまた僕のことを呼び捨てにしたことは無かったはずだ。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加