星降る夜に

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いつ始まるかわからない流星群。 俺は見逃さないようにと全神経を夜空へと向けていた。 キーッ 「ん?」 そのとき遠くの方で自転車が止まる音がした。 俺は上体を起こし、視線を陸の方へ移した。しかしここら一帯は闇。明かり一つない状態では見えるはずがなかった。 気のせいだろうと体勢を戻そうとした。すると遥か遠くでパッと小さな光が灯った。 光は揺れながら少しずつ近づいてきた。 そしてすぐそばまで近づいたところで光は消えた。 光は消えたが、足音だけは確実に近づいていた。 「うわぁ、綺麗だな~」 暗闇から突如女性の声が聞こえた。 声のした方向を見るが姿はまったく見えなかった。 すると、再び小さな光が点いた。 携帯の液晶の光が手元を照らしていた。 女性は携帯を夜空へ向けた。 カシャッとシャッターを切る音が暗闇に響いた。 「う~ん、やっぱり星はあんまり写らないか……よしっ! もう一回だ」 女性は携帯を再び上に向けて構えた。
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