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「それでどうです?
もう流星雨は始まりました?」
「いや、まだ見てないからな。
でもそろそろだと思うよ」
俺は再びビニールシートに腰掛け、仰向けになった。
夜空は静かで、星は輝いていた。
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それから数分間沈黙が続いた。
明かりがない今、お互いの姿を確認することはできない。
(……あれ? もしかして村上さん帰っちゃったのかな?)
俺は暗闇に向かって、
「あ、あの、村上さん……まだいる……の?」
と尋ねた。
俺の問いに先に答えたのは懐中電灯の光だった。
懐中電灯の光は世話しなく動き、そしてようやく俺を照らすことでその動きを止めた。
「ああ、よかった。星野さんもまだいましたか。
しばらくお互いに静かだったから、もしかしたら置いてかれたかと思っちゃいましたよ」
「ハハハ、流星雨を見るか夜が明けるまでは帰らないよ。
それより、もしかしてずっと立った状態で夜空を眺めてたの?」
「え? は、はい」
「それだと首も疲れるし大変でしょ。
こっちシート敷いてあるからよかったら横に座る?」
「え! いいんですか!?」
「あ、ああ、もちろん大丈夫だよ」
俺はシートの上の荷物を端に固めて、人がもう一人入れる分のスペースをつくった。
「それじゃあお言葉に甘えて失礼します」
彼女は靴を脱いでシートにあがり、空いたスペースに腰かけた。
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