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5分前
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俺と勇斗は帰宅中だった。
まあ、大体の脇役系小説を読んでるみなさんからすればテンプレかも知れないが、俺と勇斗は所謂幼なじみというやつだ。
それでも一緒に帰るとか高校生にもなって珍しいとか言われるかも知れないが、これも一種のテンプレ家が同じなのである。
まあ、俺の家がこいつの家の持ってるアパートを借りているだけなのだが。
「ねえ、主人さ?…」
「んー?」
大体いつもこんな感じ。
勇斗が話してそれを俺が適当に聞き流している。
それで、いつもはよかったのだが今日ばかりはちゃんと話を聞いとけば良かったと後悔した。
「ねえってば!」
「あ?…」
絶句。
いつか来るとは思ってたがまさかホントに来るとは。
「これなに!?」
それを見た瞬間俺はダッシュした。
そう、みんなお馴染み勇者ホイホイこと転移魔方陣(多分)である。
「主人?何で逃げるのさ!?」
「うるせえ!着いてくんな!」
魔方陣は多分現れてまもなくまだそんなに光も強くなく、かつ一人用を想定してるのかあまり大きくない。
これなら!
俺は一目散に逃げ出した。
そりゃそうだろう?何で好き好んで巻き込まれなきゃならん?
しかし、勇斗のやつは俺の気持ちに関係なく助けを求めようと(?)俺を追いかけて来る。
ここからが予想外だった。
まさかの走り続ける勇斗に魔方陣が着いてきたのだ。
「はっ?」
「まってよ!」
と、言うわけで俺の存亡をかけた鬼ごっこがスタートしたのである。
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