プロローグ

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その鬼は、強かった。 剣が強かった。 意志も強かった。 組織をまとめる力もあった。 しかし、鬼は、護ることに長けていなかった。 鬼は、不器用だった。 それ故、護るためにたくさんを壊した。 それでも、護ることは出来なかった。 鬼は、それでも、意志だけは貫いた。 皮肉なことに鬼は、大切なものを失っても意志を貫く心の強さも、生き残る術も持ち合わせていた。 鬼は、死にたくても死ぬことが出来なかったのだ。 例え世界で一人きりになろうとも。 .
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