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「で、大丈夫なの」
陽に問い掛けるのは漆黒の髪の少女
「ん?何のことだ」
「いや、ずっと血吸われてるみたいだけど」
チウチウ、陽は耳元でそんな音がする事に気付きながら答える
「大丈夫なんじゃないか、俺の血は無くならないし」
「そう、なら次は名前を教えて」
淡々と問う漆黒の少女を疑問に思ったのか、陽は尋ねる
「何か尋問みたいだな、俺は疑われてんのか?」
「当たり前でしょ!この森には転移防止結界と飛行防止結界があるのに、空から来たあんたを信用できる訳ないわよ」
飛行防止結界とは、いわゆる魔法で創られた電気柵の事
「なるほど、確かにそうらしい
俺の名前は羽積・陽、一応勇者らしいぞ」
「!、じゃあもしかしてあんたも、て「さっきの、本当?、」
黒髪の言葉は血を吸い終えた赤髪に遮られた
「ちょっとリア、あたしの話まだ終わって「さっきの、って血の話か?」
今度は陽に遮られ黒髪がうなだれる中、リアと呼ばれた赤髪はコクンと頷いた
「ああ、本当だ、俺の血は無くならない」
「なら、付いて来て、」
陽の言葉にさっきまでの無表情より、少しだけ明るくなった赤髪は陽の手を引き駆け出した
「リア!ちょっと待ってよ!」
今度は反対において行かれた黒髪は急いで追いかけて行った
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