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「準備出来たわよ」
そう言って部屋に戻って来たレイムの手には、
革製の袋と中が空洞のツル、その傍らのアーリアの手には、引きずられるヘイムの姿があった
「よし、じゃあ始めるか」
即座に状況を理解した陽が立ち上がり、話を進めようとする、が
「いやいやいや、何で僕が連れて来られたかも、分かってないんだけど!」
当然のように、ヘイムには何も伝えられていなかった
「それで、言われた通りの物を集めたけど、何をするつもりなの」
これもまた、当然のようにレイムはヘイムを無視している
「俺の血は、ほぼ無限に湧く訳だから、それを保存しておく」
「そうすればしばらくはもつだろう」
陽もト、ウ、ゼ、ン ヘイムを無視して作業を始めていく
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途中、腕にツルを突き刺した陽を見て“ヘイムが”悲鳴をあげたり
“ヘイムが”「陽君さっき見捨てたこと、怒ってるの」とか言って、また物の見事に無視され続けたり
いろいろあったが、ようやく“ヘイムに”出番が回ってきた
「この革袋の中の、空気だけ抜いてくれ」
そう言って陽から、血の入った革袋を受け取ったヘイムは
「………あぁ、この屋敷で風属性持ってるの僕だけだもんね……それで呼ばれたのかぁ……」
等と独り言を呟きながら、黙々と作業に励んでいった
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