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……昔を思い出している間に協会の前に着いたようだ。俺はそのまま協会のドアを開けた。
ギィィ……
接合部分が錆びているのか、ドアから鈍い音が鳴った。
俺は協会の中に入り、辺りを見回した。雑草はたまに生えているが、協会の中は思ったより綺麗だ。そんな事を思いながら先へ進んで行った。
奥へ進むとスポットライトのように照らされた場所を見つけた。どうやら天井の一部分が崩れ、その穴から光が差し込んでいるようだ。
「……ん?ありゃ……」
光が差し込んでいる場所をよく見ると、何か光る物が落ちているようだった。
それは金色に光る十字架だった。金で作られた十字架は2年間という時を経てもまったく輝きを失っていなかった。
「……貰っておくか。減るもんでもないし」
俺はおもむろに十字架を拾い上げると、腰に付けているポーチにしまった。
ドォォォン!!!
突如、大きな爆発音が響いた。爆発というよりは何か大きな物が崩れる音に近かった。だが爆発音を彷彿とさせるその音は、何事も無いと思うにはあまりにも大き過ぎた。
音は協会の外から聞こえた。俺は急いでドアから外へ出ると、周りを見回した。すると俺から見て右の方向に、煙が上がっていた。おそらく爆心地はあの場所だろう。
「ようやくか……
さぁ……仕事の時間だ!」
俺はそう言うと煙が上がっている方向に走って行った。
常人には消えたように見える速度で
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