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アイリスの放った攻撃は、湊の夜桜の効果
魔力吸収によって目の前から消えた。
そのことなど知る由もないアイリスは呆気にとられた。一体何があったのかと。
その隙を突いてアイリスの腕を掴み、湊は一本背負いの容量で持ち上げると地面に叩きつける。
身体半分を地面に叩きつけられながらも湊の側頭部に蹴りを放つアイリスに対して、湊は当然分かっていたかのようにその足を掴むと今度は蹴りの勢いを殺さずにそのままエレナの元へと投げ飛ばした。
「話にならねぇな。動作が丸わかりだ」
つまらなそうに薄く笑みを浮かべる湊をよそに、カノンとミラが目の前まで迫っていた。
「ふざけんなクソガキが!その性根を叩き直してやるよ!」
お前のが年下だけどな。
叫びながら迫り来るカノンから繰り出されたパンチ。それを簡単に避けるが、その一瞬を突いてミラが湊の上空から蹴りを放つ。それをまたもや避けた湊は夜桜を振り下ろし、先ほど吸収したアイリスの魔力を撃ち放った。
その場で咄嗟にガードする2人だが、爆発と共に後ろへ飛ばされる。
「やっぱ弱ぇな。お前ら」
セリフを言い終えるよりも早く湊の背中から胸にかけて衝撃が襲った。
何だ…?
「こっちは5人なんですよ?その事をお忘れじゃありませんか?」
妖艶な笑みを浮かべ湊の背中から杖を突き刺したのはルーシーであった。
「さすがにこれでは、いくらミナトさんであろうと効いてるはずですが」
「ん?効いてる?バカ言え、よく見てみろ」
そう言われて杖の先端を見つめるルーシーは顔を強張らせ後ろに下がる。
「ど…どういうことですかこれは?」
よく見ると杖の先端は黒く焦げて元の長さより短くなっていた。
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