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「くそッ!!何処に消えたッ!」
騎士の一人が叫ぶと、それ以外の騎士達がある方向を指さした。
騎士達全員の目が上空を見る。
そこに現れた湊は笑みを浮かべて、騎士団を見下ろしていた。
「あそこだッ!!あそこにいるぞッ!!」
慌てふためく騎士達を余所に、湊は小さく息を吐いた。
「おいおい、そんなんで俺を殺れんのか?退屈しのぎにもならねぇよ。幼女はまだか?早くせんかバカモノが!」
そう言いながら、先程創った黒い球体をお手玉のようにして弄んでいる。
「貴様ぁ!!これ以上、我等を侮辱するなど許さんッ!!」
「許さんだって?おいおい、何を許さないんだ?本当のことだろ?お前らじゃ俺に触れることすらできねぇよ。早く勇者もしくは幼女を呼べって言ってんだろ?死にてぇのかお前ら?」
「貴様などに勇者アイリス様が手を下すまでもないわッ!!ましてや幼女を催促するとは、変態の風上にも置けぬッ!我等が相手で充分だッ!!」
「もぅいいや…自分の力も相手の力も見極められないアホが。ただ単に鎧を着けて剣を振りかざすくらいなら、そこらの子供でもできる。てめぇらは、騎士団という有象無象の権力を振りかざした偽善者だよ。」
そこまで言って、お手玉をしていた黒い球体を持ち直した。
「まぁ、神に与えられたテンプレチートの俺も偽善者だが。まっ、とりあえず闇にまみれて自分を見つめ直したらどうだ?」
騎士達の頭上に黒い球体を投げ飛ばす。
「なっ、何をする気だッ!!」
「言ったはずだ。闇にまみれて自分を見つめ直せ…と。…ブラックホール。」
湊が呟くように言うと、黒い球体は大きく膨らんで騎士達を包み込んだ。
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