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「ヤメてくれぇ!!」
「もぅ許してくれよぉ!!」
「出してくれッ!!」
悲鳴に似た叫び声を上げていた騎士達はしばらくして沈黙する。
『湊ちゃん湊ちゃん!騎士団の彼等はどうなっちゃったの!?」
詳細が気になったのか、チャラ神は興奮気味でテンションが高くなっていた。
「あぁ~。ブラックホールくらい知ってるだろ?」
『宇宙にある天体だろ。神を嘗めるな知ってるわ。』
「そのブラックホールを創ったんだよ、闇魔法でな。細工はしたけど、あくまでチャラ神と俺の目的は勇者狩りだろ?他の人達は関係ない。だから、俺は関係ない人達は殺さないし傷付ける気は無いたぶん。まぁ時と場合によりけりだけど。」
『んで?その細工とは何なん?』
「ブラックホールは物質とかを吸い込むけど、俺が創ったのは人の自惚れや傲慢さを吸い取る空間ってとこだな。だから、人体を傷付けることはないが。まぁ、精神的に堕ちるけどな。あれくらいのおバカな奴には、お灸が必要だ。」
「実際問題、自分より強い相手に勇猛果敢に立ち向かうことは悪くないとは思うが。けど、それって聞こえは良いけど無謀だろ?勢いでどうにかできる程、世の中甘くねぇし嘗めすぎ。そんなんで結果が出るなら苦労しねぇよ。だから、現実を教える意味ではちょうど良い薬だと思ってよ。」
『へぇ~。意外と湊ちゃんも冷めた人種なんだね。』
冷めた人種ね…。どちらかというと諦めに近いがね。
「まぁ、理不尽で汚い大人を見てきたし、現実の厳しさは嫌って程見てきたし経験した。だからかな…あぁ言うヤツらを見てると不憫に思えてな。」
「まぁ、その正義の心ってのは分からんでもないが、力で来るならブチのめすが1番効果ありだしな。」
めいいっぱい伸びをして、湊は前を見据えた。
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