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「どうしてこうなった…」
目の前に突如として現れた同年代くらいと思われる男。
風貌は如何にもチャラ男、顔立ちは所為イケメンだ。カラコンでも入れてるのか目は蒼く、背丈は自身よりも20センチは超えている。
つい先程まで道端を歩いていた柳瀬湊は、人生で最も関わりたくない部類の者、関わることすら有り得ない者を目の前に頭を抱えていた。
目の前の男は、おちゃらけた雰囲気で口を開く。
「だから説明したじゃんよぉ。」
声までイケボとは…ふざけやがって。
「よし、整理しよう。俺はさっき道端で女の子を助けた。ここまではOK?」
「OK!」
「助けた女の子が天使で、そしてお前は神様で、 まだ死んでない俺をわざわざ転生させたかったが為に、俺はお前に殺されて今ここにいるって、ことで良いんだよな?」
はっきり言って、何でここまで自分自身が冷静なのか分からん。
「何だちゃんと話聞いてたじゃん。なら大丈夫じゃね?んじゃ転生させんぞ。」
「待てゴラァ!死にかけてもいないのにトドメ刺すとはどういう了見だあぁん!」
神?の胸倉を掴み激しく揺らす。脳みそ飛び出て死ねぇ??
「うぇ、ウプッ…は…離…せ。」
「死ねやゴラァ!!」
「あ…あの湊さん。その辺で止めた方が…」
「あぁん?」
声のする方を睨んで見ると、先程助けた女の子がいました。
「俺をハメたのはお前か!せっかく帰ってから嫁を愛でようとしてたのに…お前なんかを助けたせいで…俺の嫁と離れ離れになってしまった。つまりッ!」
ビシッとエフェクトが入りそうな勢いで女の子に指を指すと、卑下た笑みを浮かべ、素早く女の子の胸の膨らみを鷲掴んだ。
「お前が嫁の代わりに愛でられろ!」
「ひぃ…や…やめ…て…くだ…さ…い。」
抵抗も虚しく絶妙に撫で回す湊の秘技?に女の子の顔は次第に紅潮していき、その場で崩れ落ちた。
「やめて下さいと言われて、やめる紳士(変態)がどこにいるッ!それは、先っぽだけだからと言っておいて根元まで挿れるのと同じなんじゃボケがぁ!」
「すみません。ごめんなさい。許して下さい。」
その時女の子の背中から飛び出したのは白い羽だった。
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