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「とりあえず、アイリスさん。その王都セブルスの場所教えてくれませんか?」
「教える条件としてリオネル様には手を出さないと約束して下さいますか?約束できないのであれば今から戦ってもらいます」
んー、アイリスの目を見る限り本気みたいだな。聞かなくても知る方法はあるにはある。
魔力による検索をすればリオネルの居場所は直ぐに掴める。だけど、俺としてはもう少しだけアイリスとじゃれていたいのが本音だ。
「それなら、もし…リオネルを殺したら?」
「万が一、リオネル様を殺しでもしたなら、この星の全ての人を敵にまわすことになりますね」
まぁ、どちらかと言うと女が全て敵になるんだろう。
「じゃあ、とりあえずリオネルと戦うってのはあり?」
「殺さないのが絶対条件です。それ以外は認めません」
めんどくせぇな。殺す前提に決まってるだろうが、そんなアホ勇者野放しにできるかっていう。
「ですよね…。それなら、アイリスさんが案内してくれない?それなら安心でしょ?」
そう言うと、アイリスは黙り込んで顎に手を当てて悩み出した。
案内された所で引きずり回してブチのめすがな。
『湊ちゃん。何考えてんの?よりにも寄って勇者であるアイリスに案内させるとか、勇者狩りの対象である張本人だって本当に分かってる?』
「分かってるけどよ。だって、アイリスしゃん可愛いんだもーん。勇者狩りって言ってもよ、叩きのめして現実教えりゃ良いんだろ?」
『まぁ…違わなくもないけどさ。でも、必ず殺らなきゃなんなくなるよ?遠くない未来に…絶対』
チャラ神の声色からはそれが現実だと突き付けるような雰囲気が伝わってくる。
「そっか…。もしそうしなくちゃいけないなら、その時に…殺せば問題ねぇだろ?」
そん時は軽~く捻り潰してやるぜ。
「アイリスさん、それで案内お願いできる?」
まだ悩み中のアイリスに話し掛ける。
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