始まりは突然でした。

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「それで、お前から異世界転生の基本中の基本、神と同等の力を得たわけだが。俺は魔王になって何をしたら良いんだよ。ってか、あんまりやる気ねぇけど。」 世界征服とか言ったら、引きずり回してやる。 「んーそうだな。じゃあさ、まず手始めに勇者狩りとかしてくんねぇかな。」 さも当たり前のように言ってのける神。 はぁ…? 「勇者狩りって?」 「そのままの意味なんだけど。アイツら調子乗ってるだろ?平和がどうこう仲間がなんだって言って。はっきり言って、反吐が出んだよな。実際、世の中そんなに甘くねぇしアイツら嘗めすぎ。」 「顔が良いから強いからって持て囃されて、テメェらが一番正しいと思ってやがる。俺からしたら真っ先に殺す対象なんだけど、勇者とかは他の神の管轄、つまり人間界を統括してる神の連中がいるから手が出せないわけだ。だから、殺しの依頼って言うか、まぁ命令って感じだな。」 コイツが神様で良いのかよ…楽しそうだけど。 「まぁ、その勇者たちがお前の恨みと妬みを買ったんだと言うことは良く分かったけどよ。それに対する見返りは何だ?」 「見返り?それなら与えた力で十分じゃないのか?」 チート能力かよ…テンプレ過ぎだろそれ。 「まぁ…どの道、一回死んだ俺には帰る場所も無いしな。楽しそうだし暇つぶしに付き合ってやるよ。」 「おぉ!良いねぇ。話が分かる奴で良かった。んじゃ話戻すけど、とりあえず湊は魔王の子孫ってことだから、転送場所は魔界で良いか?」 「良いも何も…転送されていきなり殺されたりしないだろうな?」 せっかくの転生だというのに、秒で終わるのは勘弁だ全く。
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