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「結構多いな。普通は勇者っていても一人か二人だろ。何でそんなに多いんだよ?」
『仕方ないんだよねぇ。この世界は七つの大陸から出来てるんだけどさ、それぞれの大陸に一人ずつ勇者がいるわけよ。まぁ、強さは均衡してるけど。とは言っても、一人一人が大陸を納めるくらいの強さの持ち主だから、この世界でも七人の勇者は最上位に位置するわけだ。』
神のその言葉に湊は顎に手を当てて考える。
大陸納めるって、もはやチートじゃん。化け物かそいつら。
「へぇ~かなり強いのな。そいつらに俺は勝てんのか?」
マジ疑問だわ。冷静に考えて1対7プラスにその他大勢だろこれ。いじめに等しいと思うんだが…。
『んーまぁ、今のままじゃ絶対に無理だね。だって、湊ちゃん魔法の使い方知らないじゃん。』
あぁ…基本中の基本をまだ教わってなかったわ。ってか、教わらんでも使えそうな気がするのだが…。
「それで?その魔法の使い方はどうやったら良いんだよ?」
『簡単に言えば、イメージだね。頭の中のイメージを具現化する。例えば、頭の中に竜巻をイメージしてみてよ。』
イメージ?想像しろってことか?
「竜巻を?よく分からんけど。やってみるか」
俺は頭の中で竜巻をイメージした。
『イメージしたら手を前に出して、手のひらに魔力を集める。魔力は指先に力を軽く入れれば出てくるよ。』
神の言うとおりに魔力を手のひらに集める。
そんなすんなり出るなら苦労しないだろうに。
しかし、しばらくすると温かい黒々とした光が手の平から溢れ出てきた。それは、やがて小さな竜巻を形成する。
うぉっ!すげぇなこれ!異世界ってこんな簡単に魔法出てくんのか。
めっちゃ、楽しいんだけどこれ。
「これで良いのか?」
『おぉ。良い感じだね。じゃあ、目の前の城に目掛けて放ってみよう!』
「んじゃ、ポイッと。」
湊の手から放たれた小さな竜巻は、見る見るうちに城を飲み込む程の大きさになった。
なぜ、そこまで大きくなる?ってか、これは間違いなくやっちまったよな…。
『湊ちゃん…予想以上にデカくね?さすがにこれはマズいでしょー。』
若干、引き気味の神。
いやいや、お前。俺が引くわ!
「お前が放てって言うからやったんだろうがッ!!どうすんだよ。あれマジでヤバくねぇか?」
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