1話 想い出

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後々になって、明かされたのはあの時名前がミズキだと思っていたと… なんということだって、思った。 よくあったけど、好きなひとに誤解されていたんだと思うと悲しくなった。 元から、言い返せる性格じゃなかったから、感情も表面に出さなかったけど 察して欲しかった。 『ごめんね!』っていわれても困る 怒りたいのに怒れない。 悲しいのに泣けない。 引っ越すことになったのが、1月の下旬 バレンタインの日に、ここを離れると聞かされていた。 言わずに引っ越したいとお願いしたのは私 最後に、渡せるだろうか? 内気な私が、親にどうしてもと頼んだのが友達に言わずにバレンタインの日の学校を最後にしたいと頼み込んだ。 親は、珍しいと驚いていたが私は傷つきたくなかった。 最後の日だというのに、あんな想いをするなら恋なんてしたくないと思ったのもその日だった。 回りは、『誰に渡すの?』 『これ、友チョコね』 『義理だけどあげる』 『先生にもあげるー』 なんて、浮き足立ってた。
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