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――――――再びヴァン視点
ヴァン「……ふ、ついに念願の勝利だな♪」
俺は隠れていたベッドの下から這い出し、フィーナの部屋を出る
旅仲間の部屋に忍び込まないだろうという予想をさせるのには失敗して焦ったけど、
スキルを使わないという制約を最後まで守ると思わせるのには成功して助かった~
そう!今までスキルを使って逃げなかったのは今日の勝利を確実にするため!
…まぁ、向こうが使ってきたら死にそうだから結んだ約束でもあったけどな!
寮も半壊で済むかどうか…
何しろ1vs数百+1だからな…女子寮が本物を越える地獄になっても不思議はない…
実際に何回か本物が見えかけたのは忘れたい思い出だ
さて、そろそろ屋上に行って脱出する(トスッ…トスットスッ)…か…?
ドサッ
何が起きた…?感じるのは背中の鋭い痛みと全身の痺れ、そして床と熱烈なキスを交わした顔面の鈍い痛み…
エル「…やっと見つけた」
その声に不自由な体を動かし振り向くと、そこにいたのは練習用の弓を持ったエル
…ってことはこの背中の痛みは麻痺矢か!?
このヤロウなんてもの使いやがる!
そんな俺の心の声が(幸か不幸か)聞こえるはずもなく、手際よくエルは俺を縛って拘束する
エル「……いくよ?」
言葉少なく足にくくりつけた縄を引っ張り連行するエル
…ってかちょっと待て!西部劇じゃないんだからせめて胴体の方で引っ張ってくれませんか?
つーか、向こうに下り階段が見えるのは気のせいだよな?流石にこのまま階段突入はしないよな??
そんな俺の祈りもむなしく、俺は自分の頭が階段の一段目に激突する音を聞いた…
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