君の声を聴かせて。

消えない想い

ｰｰｰｰｰｰｰ

ｰｰ･･･

中学生になると。

琥珀は変わった。

あんまり笑わなくなって。

一人称も僕から俺に変わった。

声変わりもして、大人の男の人みたい。

私のことは「藤咲」って、呼ぶようになった。

ちょっぴり寂しいけれど。

今でも登下校は一緒に帰ってる。

横に並ぶことはなくて、私が少し後ろを歩くようにはなったけど。

『琥珀』

呼び掛けても、こっちを見てくれないから。

届かない。

ﾂｷﾝﾂｷﾝ

胸の奥のほうが痛くなる。

きゅうってして、苦しい。

この気持ちの名前を、私はもう知っていた。