君の声を聴かせて。

消えない想い

翌日

放課後

いつもは、下駄箱で待つけど。

早く伝えたくて。

教室まで迎えに来た。

手袋をしていない手。

その手が握るのは返事を書いた手紙。

微かに震えるのは、スッゴク緊張しているから。

すーはー。

教室の扉の前で呼吸を、整える。

ヨシ。

気合いを入れて、扉に手をかけると。

「え？琥珀マジで藤咲にコクったの？！」

ｰｰ･･･え？

ピタリと。

動きが止まる。

「そーだけど」

「マジかよー。罰ゲームマジでやるとは思わなかった！！」

中からは、驚いたような声が上がっているけれど。

待って、待って。

どういうこと？

罰ゲームって.........なに？

手袋をつけていない指先が震える。

それは寒さなのかなんなのか。

自分でも分からない。