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「ミィ」
久しぶりに呼ばれた。
嬉しいはずなのに、全然嬉しくない。
『放して』
「嫌だ放さねぇ」
握られた腕が、ますます強い力で掴まれる。
『放してっ』
ブンブンふるけれど、一向に外れる様子がない。
いつのまに、こんなに力が強くなったんだろう。
ずっと一緒にいたはずなのに。
いつのまにか距離が開いていた。
「それ」
琥珀の目が、私の握っているものを見つめる。
「それ、返事だろ?
くれよ」
何を言ってるんだろう。
これを見て、また私を笑い者にするつもり?
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