消えない想い

2/20
前へ
/418ページ
次へ
***** 「初めまして。 僕は琥珀(コハク)っていうんだ。」 「この子は美里(ミリ)っていうんだ。 よろしくね琥珀君」 お父さんの後ろに隠れながら、ちょこっと顔を出した私の目に映ったのは。 優しい目をした男の子。 その時まで、男の子は苦手だったけど。 琥珀は、平気だったの。 「よろしくね、ミィ」 『ミィ』 そう呼ばれたのが自分だなんて、一瞬分からなかった。 気付いたのは、指差されて、笑いかけられたから。 『ミィ?』 口を動かせば。 少し不思議そうにしながらも笑顔で頷く。 「うん!ミィ!」 その笑顔につられて 大きく頷いて、笑い返した。 それが、琥珀との出逢い。
/418ページ

最初のコメントを投稿しよう!

955人が本棚に入れています
本棚に追加