日常

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このクラスは。 皆イイ人。 ーー・・・喋れない私を、あったかく迎え入れてくれた。 「ーー・・・いつか美里の声聴きたいなー」 『葉月ちゃん』 「うん、ごめんごめん」 優しく、頭を撫でてくれる。 きゅうっと、胸が痛む。 なんで、私の声は出ないんだろう。 有明 葉月ちゃんは。 一番最初に声をかけてくれた人。 クラスのリーダー的存在。 そんな子と、友達になれるなんて思ってなかった。 『葉月ちゃん好き』 「あ、ごめん。読めなかった」 口の動きだけでは限界がある。 ーー・・・今まで、ちゃんと読んでくれたのはたった一人。 ケータイのメール画面に打ち込む。 この間が、もどかしい。
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