平成から幕末時代

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沖田「琴未ちゃん、AEDは何をする為にあるの?」 琴未「突然心臓が止まって倒れてしまった人」の心臓のリズムを、心臓に電気ショックを与えること により再び正しいリズムに戻し、蘇生するための治療機器です。 「突然心臓が止まって」しまう心停止の原因として、心臓の筋肉がけいれんを起こし、心臓から血液が全身に送り出せなくなる危険な 不整脈、心室細動や心室頻拍があります。この心室細動に対して電気ショックを与える(除細動する、といいます)機械がAEDで 心室細動は急性心筋梗塞やボールが強く胸に当たって発症する心臓振盪などのときにみられる、非常に危険な不整脈であり、唯一AE Dによって治療が可能です。 心停止の原因は心室細動以外にもありますが、この場合にはAEDは有効ではありません。また心室細動か否かの判断はAEDが「自動」的に行います。」 土方 「心停止になった人すべてに対してAEDは有効なのか?」 琴未「心停止により突然倒れた人すべてに対して、必ずしも有効ではありません。AEDが有効に働くのは心室細 動による心停止に対してのみです。 しかし、倒れている人が心室細動かどうかはAEDを装着してみないと分かりません。もしAEDが作動しその人を助けることはかなり難しいといえます。ない時にはAEDの指示に従って人工呼吸、心臓マッサージの心肺蘇生を続けて下さい。 突然心室細動になった人の、心室細動になってから除細動までの時間と救 命の可能性(成功率)の関係を左の図に示します。 心室細動発生後1分で除細動が成功すると約90%の人は助かります が、2分では助かる人は約80%に減ります。このように心室細動発生から 除細動までの時間が1分間遅れるごとに7~10%ずつ助かる人が減ってき ます。 未来では119番救急要請から救急隊員が到着するまでの平均時間は約6.2分と いわれています。仮に人が倒れるところを発見してから119番救急要請するま での時間が2分としますと、心室細動発生から救急隊到着までの時間は既に8 分を越えることになります。さらに除細動のための機器装着に1分を要すると すると、心室細動発生から9分を経過していることになり、 能性は10%程度にまで低下してしまいます。 つまり、倒れた人を見かけたあなたがその場でAEDを用いて除細動しない限 りその人を助けることはかなり難しいといえます。」
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