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「結婚しよう」
「え」
付き合って一年目になる彼氏から、デートの別れ際にプロポーズされた。
今までずっと恋愛に興味がなくて、男なんて…と思っていた私に人生で初めて出来た彼氏だった。
彼は7歳も年上で今年で30歳。
大学を卒業して働き始めた会社で、自分の務めていた部署の上司だった人。
誰にでも優しくて、いつも笑顔でいる彼に恋心は抱かずとも好感はあった。
そんな時彼が好きだと言ってくれて、最初は付き合うつもりなんてなかったが、告白されて意識している内に、自分も彼が好きになっていた事に気づいた。
後日告白をOKした時の彼の喜び様は、見ていた自分も嬉しくなる程だった。
付き合ってみて、同じ時間を過ごして私自身もどんどん彼の事を好きになっていた。
会社やデートで毎日会っていたけど、もっと一緒にいたいと思うようになっていた。
彼と一緒にいる時の自分はいつも笑顔で、彼にも笑顔でいて欲しくて一生懸命になっていた。
結婚は、いつかしたいと思っていたが、今は目の前の幸せに一杯一杯で、あまり考えていなかった。
愛する人からのプロポーズ。
断る理由なんて思い浮かばなくて、私は答えるよりも前に泣いてしまった。
いきなり泣き出した私に、吃驚していた彼だったが、私が少し遅れて肯定の返事をすれば、黙って抱きしめてくれた。
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