第一章

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02 結婚する日時は、少々早めの3ヶ月後の1月24日になった。 寒い時期たが、二人で話し合った結果、式場の事なども考えて早めの結婚予定日となった。 プロポーズされた次の日に、会社には婚約したことを伝え、驚いた人もいれば妙に納得している人もいた。 同じ部署の仲のよい先輩に励まされて、一緒になって喜んだ。 結婚が決まってからの毎日は忙しくて、あっという間に過ぎていく。 そして、あと1ヶ月で結婚となる12月24日のクリスマスイブの日、2人でなんとか時間を作って出かけることにした。 「先輩、どこいくの?」 この日私は、どこに行くのかは伝えられていなかった。 「ん?まぁ、ちょっとな。というか…もうすぐ結婚するんだから、先輩はないだろ」 少し呆れたようにようにいう彼は、さり気なく私の手を取って指を絡ませる。 「え…と」 困ったように下を向いていると、もう片方の手で私の頭を撫でてくる。 「ほら、優って呼んでごらん?」 「ふぇ…えとえと。……………すぐ…る」 名前を呼ぶだけなのにどうしてこんなにも恥ずかしいんだろう。 照れながら、見上げると彼は満足気に笑っていた。 「よくできました」 低く響く、聞き慣れた声が余りにも優しくて顔に熱が集まる。 壊れものを扱うかのような、その撫で方に安心しながらも、子供のような扱いを受けて拗ねたくなる。 「子供じゃないのに…」 「??」 ボソリと呟いたその言葉は、どうやら彼の耳には届いていなかったらしい。 不思議そうにこちらを見ている。 「?……行こうか?」 「うん、なんでもない。行こう」 強く手を握り直して、私たちはゆっくりと歩き出した。
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