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『なあ…この子の名前、俺に付けさせてくんない?』
『は?』
私のお腹を撫でながら、唐突に提案してきた岸谷。
『実はもう決めてんだよ』
『ちょっ…勝手に…』
『リン…凛々しいの凛。これだと、男でも女でも構わないだろ?』
私が了承する前に、さっさと名付けてしまった相変わらず俺様な男。
『お前の名前がすずだろ。だから、鈴の音っていえばリンリンじゃん?』
『…何、それ』
なんと、単純な。
『凛って漢字。背筋を伸ばして、しゃんとしているってイメージない?』
『まあ…』
『な?いいいだろ? 鈴の澄んだ音色とイメージ合ってるし』
『そうねぇ…』
『じゃ、決まりな!』
そう言って、屈託なく笑った岸谷。
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